クリエーターの祭典「大八耐2016」にKids Code Clubスタッフが参加してきました!2日間にわたって開催されたイベントのレポートをご紹介します。
大八耐とは
大八耐とは、福岡で毎月開催されている「八耐:八時間耐久作品制作会」が年に一度行うものづくりのお祭りです。2013年から開催されており、毎年150名近い人が参加しています。
ゲームやCG、アニメーション、映像などの本格的なデジタル作品から、イラストや絵本、プラモデル、ペーパークラフトなどのアナログなものまで、普段は文字どおり8時間、そして大八耐では2日間:約30時間にわたって作品制作を行うという、いわゆる「ハッカソン」と呼ばれるもので、ものづくり好きな人には超超テンションの上がるイベントになっています。
今回の大八耐は、2016/9/24〜9/25の2日間、福岡市東区の福岡工業大学短期大学部で開催されました。さまざまな企業がスポンサーとしてサポートしており、制作会は参加無料、交流会のみ参加費がかかります。
どんな人が集まるの?
主な参加者は大学生や専門学生などの学生さんですが、社会人も多数参加されています。今回は、学生と社会人の比率が5:2くらいの印象でした。男性が多めですが、女性も結構います。
今回、事前に許可を頂いたうえで6歳の子どもを連れて行ったのですが、過去40回以上にわたって開催された八耐で史上最年少だったそうです!特に子どもの参加を禁止しているというわけではなく、むしろ今後はそういった展開も模索していきたいということで、学生さんたちにも、運営の方にも、歓迎してもらえたのはとっても嬉しかったです。
イベントの目的は?
ジャンルやテーマ、立場に関わらず、純粋に「ものづくり」に興味がある人が一箇所に集まり、新しいことに挑戦したり、自分の知らない世界や技術・知識に触れるなど交流し、お互いに切磋琢磨することができるというのが主な目的のひとつです。
大八耐では制作した作品を展示・発表する機会があり、県内外から来られた豪華なゲストが審査を行います。
今回のゲストは下記のような方々でした!
- Mistletoe株式会社 アントレプレナー育成・支援部門プロデューサー 嶋根 秀幸氏
- KOO-KI ディレクター/テクニカルディレクター 髙村 剛 氏
- 本荘事務所 代表 本荘修二 氏
- invisible designs lab. 代表/サウンドデザイナー 松尾 謙二郎 氏
- 株式会社セガ・インタラクティブ モバイル・インタラクティブ研究開発部 部長/チーフディレクター 松永 純 氏
学生と社会人(プロフェッショナル)が交流できる場としても期待されており、学生がプロになる過程で越えるべき「経験」や「繋がり」の壁を取り払い、異なった分野の人との共通のフィールドをつくる、という目的も兼ねているそうです。
実際に、八耐がきっかけで全国的にも有名なクリエイティブな企業に就職が決まったりという実績もあるとのこと。素晴らしいですね!
イベントの主催者である福岡工業大学短期大学部情報メディア学科 准教授の弘中先生のスピーチを見ると、どういう意図で開催されているかがよく分かります。
大八耐1日目
待ちに待ったイベント当日!決められたフロアの範囲内ならどこでも使っていいということで、大きめのテーブルを使わせていただくことになりました。社会人はパソコンを持ち込みすることになると思いますが、学生さんたちは大学のパソコンを使って作業をしていました。プリンタなど、機材によっては一部お借りすることもできるようです(要事前相談)。
どういう作品をつくるかざっくりとは決めていたのですが、あまり細かく決めすぎると面白くないので、現地であらためて家族会議を開きました。これが全然まとまらず、最初は揉めに揉める(笑)
最終的に私たちのチームのゴールは「Minecraftをマウスやキーボードを一切使わずにプレイすること」になり、なんとか方向性が定まったところで、まずはプロトタイプをつくることに。しかし、これはプロトタイプと呼べるのかどうか…(笑)
子どもでも簡単に遊べるように、実際に使ってもらってインタビューをしたり、プレイの様子を観察したりして、改善して、の繰り返しで試行錯誤。実際のプロダクトづくりみたいで面白かったです!
Minecraftの操作にはお気に入りのMakey Makeyを使いました。Makey Makeyを使ってキーボードやマウス操作を別のものでの操作に切り替えます。仕様に限界があるとはいえ、色々と工夫して、面白そうなものができたかなと。操作方法の目処をつけるという1日目の目標は無事に達成!
お隣ではLEAP MOTIONを使って、手指の関節の動きで自作ゲームのドラゴンに火を吐かせるという超高度な作品づくりをしていて、我がチームのアナログ感がより一層際立つ形になってましたが、そこは子どももいるしご愛嬌ということで…!
こちらは、女性の方が何やらもくもくと作業中。通電チェックしたあとはんだ付け修正中とのこと。何ができるかは明日のお楽しみだそうです!
ゲストの本荘さんから直接アドバイスを受ける学生さんたち。ただ作品をつくるだけじゃなくて、こういった貴重な機会があるのも大八耐の素晴らしいところです。
Unityでゾンビゲームを作ってる女子たち。真剣そのもの。動きがすごいリアルで怖いです。どんなゲームになるか楽しみ。
こちらは女子4〜5人ほどのチームでつくられていた「子供の成長見守り隊」。アプリをつくってる?様子でした。
みんな楽しそうに話し合いながらもくもくと作業をしていました。アイデアを練るときが一番楽しい!
差し入れもありました!美味しかった!
というわけで、ひととおり見て回った後は、明日に備えて夕方頃に会場をあとにしました。
大八耐二日目
大八耐2日目はペーパークラフトでモンスターやブロック、ダイヤの剣などをつくってMinecraftとMakey Makeyを接続していきます。間に合うか!?
恐らく昨日から家に帰っていないのであろう人もちらほら…
このペーパークラフトが簡単なようですごく苦戦しました!写真用の厚手の光沢紙に、家庭用のプリンターで印刷したので、インクは取れるわ、手が黒くなるわで…。特に剣をつくる作業がものすごく細かくて大変でした!
ペーパークラフトは海外サイトからダウンロードしました。他にもスティーブやモンスターなど色々あってすごくかわいいです。キンコーズなどちゃんとしたところで印刷するとはかどりそう。
そしてついに…ついに…完成!!!!クリーパーさんも今か今かと後ろの方で待ち構えていらっしゃいます。
仕組みはというと、ダイヤの剣でブロックやクリーパーさんを叩くと、Makey Makey経由で信号が送られて、画面上でスティーブが剣をふって攻撃してくれます。足元の写真を撮り忘れたのですが、ダンボールでつくったパネルを踏むことで、方向転換と歩く操作ができるようになっています。
べしっべしっと。だんだんクリーパーさんがかわいそうな気がしてきます。。お隣に転がってるのは差し入れのパンケーキ。
後ろはこんな感じ。アルミホイルの部分に触れると通電して信号が送られます。
するどい方はお気づきかと思いますが、クリーパーを叩こうがブロックを叩こうが、全く同じ動作をするという適当仕様です(笑)本当は道具を持ち替えたりできるようにしたかったんですが…時間がありませんでした(汗)
簡単そうに見えて意外と大変だったんですよ。特に床に置いたパネルが静電気?かなにかのせいでずっと反応しっぱなしだったり、ダイヤの剣とブロックたちとの接点が取りづらかったり。。。でもつくる時は子どもと一緒にわーわー言いながらでとっても楽しかったです!
ということで、無事完成したので他の人の作品を見て回ることにしました。
昨日「内緒です♡」と言われた作品が完成していました!それぞれの建物にオルゴールの音が割り振られていて、並べる順番で奏でる曲が変わるという作品。背景の色も変わる?のかな。制御にはArduinoを使用。建物の下に抵抗がついていて、その値によって制御するからくりです。アイデアが秀逸!これはもはや売れると思う…
続いてはこちらのゾンビゲーム。これ、ただのゲームじゃありませんでした!!なんと別室においてあるHTCのVive(VR)でプレイできるゲームなんだそうです。学生でもこんなコンテンツがたった一日で作れちゃう時代なんですね…。自由に使えるように展示されていたViveはいつ行っても使用中で大人気だったので、残念ながら今回は遊べませんでした。。
ゲストによる審査風景。これがまたかなり緊張する空気が流れていて、学生さんたちも真剣にプレゼンしていました。本当にこれで就職が決まるきっかけになったりすることもあるみたいです。希望者は全員審査をしてもらえるんですが、学生さんたちに少しでも時間を割いて欲しいという気持ちと、こんな作品と呼べるかどうかギリギリのものを審査してもらうなんて恐れ多い…っていう気持ち(大半)で、審査を辞退しました。でも…周りには「ええっ審査してもらわないんですかっ!?」って言ってもらえたので、来年は自信をもって見せられるよう頑張りたいと思います!
知る人ぞ知る、Wordpressの日本公式キャラクター、わぷーの母カネウチさんを発見♪物語をつくってるとのことでした。キャラクターはさすがの可愛さ!この日は完成しなかったようですが、後日しっかり完成させて電子書籍として公開されていたので、子どもと一緒に楽しく読みました。「モヤモヤのゆくえ」かわいいしとても奥が深い物語でした!
こちらも、大八耐中には完成できなかったというアート作品。完成をイメージしたスケッチはとても神秘的で素敵な作品でした。パソコンなどを一切使わないこういったアナログ作品に取り組んでいる人もいるのはとても刺激になります。
こちらは、グラフィックデザイナーの方の作品。直接お話は聞けなかったけど、ラフスケッチの時からすごく緻密な作業をしていました。
まとめ
大八耐二日目は15時に作業終了し、審査後の交流会で表彰式も開催されました。私たちはもう疲れ果ててしまって、交流会には参加せずに近くの温泉にそそくさと向かってしまったんですが(笑)童心にかえりとても楽しくて有意義な二日間になりました。子どもにもこういう世界があるというのを見せられたのはとても良かったんじゃないかなと、夏の良い思い出のひとつになったと思います。
スキルや知識のあるなしに関わらず、周りを気にせずマイペースで楽しめてとても居心地の良いイベントだったので、ちょっと勇気がいるなあ…と思う人でも、少しでも興味があれば参加してみてください。また、自分では何も作らなくても、見学だけの参加でも全然OKなんだそうです。何か始めてみたいけど興味があるものが分からない、という方にもきっと刺激になるはずです。年長〜小学生以上のご家族連れにもおすすめです。絶対楽しめると思います!
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