KCC JOURNAL

KCCジャーナル

2023/11/21

小中学生がChat GPTを利用してプログラミング!

『親子で体験!1分間プログラミング』ワークショップの第2回目は「AIでプログラミング」がテーマです。現在、AI技術はまさに百花繚乱。子どもにとって何をどう理解して、どんなツールを使うべきか、なかなかわからない状況です。そんな中で子どもがどうAIと向き合えばよいのか、「核となる考え方」を身につけるために、まずはAIを使ってもらいました。

今回は「AIは考えているか」について考えました。
いつものメタバースoVice会場でスライドを見ながらテキストコーディング

実際にあがったプログラミングの質問をAIに聞いてみたら…

本ワークショップでは「サイレントリアル」というKCCオリジナルのビデオチュートリアルを使って小中学生とその保護者がJavaScriptによるテキストコーディングに挑戦しています。11月4日(土)に開かれた「質問会」では次のような質問が出てきました。

  • 1et と打ったら、黒くなる文字が青くなって出てきますがどうしてでしょう。

  • 変なエラーがでてきて動きません。

  • ランダムに数字を選んでもらうコードを書きたいのですが。

  • (サイレントリアルの)5番目をやっているのですが、File メニューの下に Duplicate がありません。どうしたらよいですか?

サイレントリアルは小中学生でも自分でテキストコーディングを体験して学べるものですが、やはりいろんな問題が出てきます。周囲に聞ける人がいれば一番ですが、そうでない場合に「検索エンジン」で調べるというのは大人にも簡単なことではありません。そこで文書生成AIのChat GPTを利用して解決する方法を調べてもらいます。今回使用したのはChat GPTの最新版を利用しているMicrosoftのBing AIです。

コツ➊ 何をしているかをしっかり説明する

まず1つ目の質問をそのまま入力しても‟お門違い”の答えが返ってきます。理由は簡単。「一体何をしていたのか」という「背景」を説明していないためです。そこでこう聞くようにアドバイスしました。

p5.jsのJavaScriptで、1et x = 10; とかいたらエラーになりました。どうしてですか。

するとストレートに「1etのスペルが間違っています」との指摘が出ました!

まずは自分が何をしているかをしっかり書くことが大切です。p5.js Web エディタを使ったJavaScriptのプログラミングをしているのですから、簡単に「p5.jsのJavaScriptで」などと入れておくだけで欲しい回答を得られる確率がグンと上がります。

コツ❷ 書いたコードをそのままコピペするのもアリです!

プログラミングでは特に、聞きたいところのコードをコピペするのも非常に重要なポイントです。コツ➊のところでも、実際にコードを入れると正しいものを教えてくれました。そこで、もっと極端な例を紹介します。ある参加者のお母さんがエラーに苦戦していて、しかもエディターはどこが間違いか指摘してくれませんでした。結論から言うと、たった1文字の「ミススペル」があったためですが、なかなか気が付きませんよね。そういったときはコード全部をコピペして聞きます。

すると「constructorとスペルを修正してください」とストレートに教えてくれました(construsterになっていました)。小中学生は英語キーワードのスペルなどはよく間違えるので、こうした指摘をしてくれるのは大助かりです!

コツ❸ 「AIの答えをそのまま信じない」「最初の答えだけで終わりにしない」

3つ目の質問、「ランダムに数字を選ぶ」はそのまま「p5.jsのJavaScriptでランダムに数字を選ぶコードを書いて」などと聞くとすぐにコードが出てきますので、みなさんもぜひやってみてください。そして最後の4つ目の質問がやっかいでした。

これはp5.js Webエディタを使っていないとわからない問題ですが、ほかの人が作ったプロジェクトのリンクをクリックして、自分のコピーを作る(スクラッチでは「リミックス」と呼ばれているものです)場合、Duplicate(名前を付けて保存)をしますが、これは*「エディタにログインしていないと使えない*」ものです。ところが、ワークショップ中でも「Duplicateはサポートされていません」といった答えとなり、質問を工夫しても「ログインしてください」という答えが出てきませんでした(注:質問によっては出てくる時もあります)。

ここからChat GPTを利用する場合の一番の注意点をおさえておかないといけません。それが、*「出てきた答えをうのみにしない」、「最初の答えだけで満足しない」*です。

「AIは間違える」と考えること自体が間違い!

そこでみんなにこう問いかけました。

例えば、「p5.js Web エディタでDuplicateをするにはログインをしている必要はありますか」と聞くと堂々と「必要はありません」とおお間違えの答えも出てきます。どうしてこうなるかというと、かつてはログインしていなくてもDuplicateできた時があったためです。こうした答えが出てくる理由は、AIの仕組みを理解すればわかります。

「考えない」AIを‟使いこなす”には「自分で考える」のがとても大切!

文章の生成AIの仕組みは、入力したテキストの中のトークン(単語)をもとに確率計算をしてもっとも関連のあると思われるトークン(単語)をもとに文章を組み立てるというものです。そこには、質問者(入力者)の「意図」や「希望」など一切考慮されません。そこが「AIは考えていない」という理由なのです。だからこそ、使う人間のほうが「考え」ないといけません。つまり、*➊ どうやって質問するか、❷ どうやって答えを解釈するか、*をきちんと「考える」ということです。

AIにプログラミングコードを書いてもらおう!

最後に、自分が描きたいコードをAIが書いてくれるか、について検証してみました。次のようなプログラムを見せて、これをどうやってAIに説明するか、いろいろと試してもらいました。

黒い背景の中、赤い円形が跳ね回るという、よくあるプログラムです。これをどうやってAIに説明し、狙った通りのコードが書けるかやってみました。試してみたい方はBing AIで次のように質問してみてください。

p5.jsとJavaScriptを使って、背景が黒のキャンバスに50 pixの赤い円の図形が跳ね回るプログラムを書いてください。

参加者の親御さんもしっかりと挑戦してくれていました。

アンケートの一部を紹介します

<子ども>

  • AIを初めて使えたことができた

  • bingのチャット機能の使い方のコツがわかった。

  • わからなかったことを解決できたので嬉しかったです

  • AIが全然私が出てほしい物を出していなくて、最後にやっと私が出てほしいものを出しました。その時うれしかったです。

  • AIにどうやって聞いたらいいのかや注意点などが分かった

<保護者>

  • AIとは、AIとの付き合い方、大人も知らなかったのでとても勉強になりました。AIとうまく付き合っていけるようまずは使ってみることが大切ですね!ありがとうございました。

  • AIについて考え方の教えては本当に素晴らしいと思います。子供は感覚上割とAIやコーディングに親しい方ですが、こういうちゃんと教えてもらう機会があまりありませんでした。ありがとうございました。

  • 娘は、どのような質問の仕方をしたら自分が知りたい回答が得られるかで四苦八苦していましたが、それもいい経験でした。ワークショップが終わった後、30分ほど娘一人でp5.jsとBing AIで遊んでいたので、娘にとって今日のワークショップは楽しくて勉強になるものだったと思っています。

次回は「作品発表会」です

次回12月16日(土)は最終回。サイレントリアルを見ながら作ったシンプルなゲームやアイコンデザインで、自分なりの機能やデザインを加えて「オリジナル作品」にしたものを発表してもらいます。サイレントリアルで作る作品はとてもシンプルで、自然と「〇〇みたいにしたい」「〇〇を加えてみたい」のように自分なりのアイディアが浮かんでくるようになっています。そうしたアイディアを参加者で見せ合うことでいろんな刺激になると思います。


当イベントで利用した「サイレントリアル」の教材は、令和5年度子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて、一般社団法人Kids Code Clubが作成したものです。

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