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2026/10/14

フェイクニュースにだまされない!AI時代のメディアリテラシー【2026年度DC講座第3回開催レポート】

Kids Code Clubでは、デジタルを活用するうえで大切な、安全・責任・相互尊重の姿勢と自分で考えて行動する力を、大人と子どもで一緒に学ぶ「デジタルシティズンシップ講座」を開催しています。2026年度の第3回講座として、「メディアリテラシーを身につけよう〜フェイクニュースに騙されないために〜」を9/17・19の2日間、オンラインで開催しました。

今回の講師は、ジャーナリスト・フジテレビ解説委員の鈴木款さん。政治や経済、海外のニュースを取材してきた経験に加え、現在は教育や人権をテーマに取材を続けています。講座では、SNSや生成AIの広がりによって、私たちを取り巻く情報環境がどのように変わっているのかを、実際のニュースや事例を交えながら紹介。フェイクニュースが身近にある今、目の前の情報をすぐに信じるのではなく、「これ、本当かな?」と立ち止まって考えることの大切さを、親子で一緒に考えました。

なぜいま、メディアリテラシーを学ぶのか

鈴木さんはまず、子どものSNS利用を規制しようとする海外の動きや、AI開発など、デジタルを取り巻く環境が大きく変わっていることを紹介しました。

鈴木さんはジャーナリストとして取材を続ける一方、文部科学省の中央教育審議会で情報・技術の専門委員も務めています。そこで「今日、これだけは絶対伝えたい」と話したのが、メディアリテラシーがこれから学校教育でもより重視されていくということ。今後は小学校3年生から情報やメディアについて学び、中学校では「情報・技術」が科目として扱われるようになるそうです。

また、10代ではネットを利用する時間が1日平均4時間ほどになるというデータも紹介。毎日長い時間を過ごしているネットの中で、私たちはどんな情報に触れているのか。そして、その情報はどのようにつくられ、届けられているのか。ここから、記者の仕事やニュースの現場の話へと進んでいきました。

誰でも「記者」になれる時代、ニュースはどうつくられる?

テレビや新聞では、記者やカメラマンが取材した内容を、デスク、番組スタッフ、校閲やプロデューサーなど何人もの人が確認してから届けています。

一方、スマートフォンがあれば、今は誰でもその場で写真や動画を撮り、SNSで発信できます。鈴木さんは、誰でも記者やカメラマンになれる時代になったと説明。ニュースの現場でも、一般の人が撮影した映像や防犯カメラの映像が活用されるようになっています。ただし、SNSの投稿は、テレビや新聞のように複数の人によるチェックを経ずに、そのまま広がることもあります。

さらに、ニュース制作にもAIが使われていると知ると、「知らなかった」「AIじゃこわい」と子どもたちからのチャットもにぎやかに。便利さと同時に、AIが事実ではない情報をつくる「ハルシネーション」など、気をつけたい点も紹介されました。

知らないうちに広げてしまう!フェイクニュースを見抜ける?

続いて登場したのは、災害時などに実際に広がったフェイクニュースです。能登半島地震では、子どもが家の中で動けないという「助けて」の投稿を受けて警察が現場へ向かったものの、投稿内容は事実ではなかったという例も紹介されました。チャットには「『助けて』デマは冗談じゃすまない」「デマかほんとか見分け付きにくいから怖いね」と率直な声が並びました。

なぜ、そんな情報を流すのでしょうか。お金儲けや、人がだまされるのを面白がるためだけではありません。「これは正しい、大事な情報だからみんなに知らせたい」と信じてシェアした結果、知らないうちにフェイクを広げてしまうこともあるといいます。スライドでも、フェイクニュースを流す人として「正しいと信じて皆に知らせたい人」が挙げられていました。

実際の投稿を見ながら「この情報は信じていいですか?」というクイズにも挑戦。本物だと思ったものがフェイクだったり、逆に怪しく見えたものが本物だったり。子どもたちから「どっちも本当!?」「嘘…」「全部騙されました」と驚きの声も。

参加後のアンケートでも、「親子で話しながら選んで、解説を聞いて、改めて『見抜くのは難しいね…』と話せたのがよかった」という感想が寄せられました。

「これ、本当?」と立ち止まる、ファクトチェック

では、気になる情報を見つけたとき、どうすればいいのでしょうか。鈴木さんが紹介したのが「ファクトチェック」です。「これって本当かな?信頼できるのかな?」と確かめることから始まります。

まず、情報を発信したのは誰なのか、その人や組織は信頼できるのかを確認する。できるだけ公式な情報を探し、一つの情報だけで決めず、ほかのメディアがどう伝えているかも見てみる。少し手間はかかっても、「これって本当かな?」と確かめることが、自分を守る力になります。

ニュースやSNSの投稿を使ったクイズをさらに重ねながら、発信元を確認したり、元になった情報を調べたりする確かめ方を学びました。

アンケートには、「どんな情報でも一度疑って、その情報を自分でチェックすることが大事だねと息子が自分で感想を言えたのでよかったです。」という声もありました。

AI時代、見た目だけでは見抜けない

生成AIの進化で、フェイクを見分けることはさらに難しくなっています。実際の街頭インタビューのように見える生成AIによる偽動画や画像も登場しました。

冬の選挙なのに候補者がタンクトップ姿になっている画像には、「何故タンクトップ??」と、子どもたちも違和感をキャッチ。

一方で鈴木さんは、AIの精度が上がり「僕ら一応映像のプロですけど、それでも見ててほとんど分からない」と話しました。見た目だけに頼らず、「ちょっとおかしいな」と考えること。そして、自分にも思い込みがあることを知り、反対の意見や違う考え方、客観的なデータにも目を向けることが大切です。

便利な「おすすめ」がつくる、情報の偏り

最後は「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」の話です。検索やクリックの履歴から、自分が好きそうな情報が優先して表示される。SNSでは似た考えの人とつながり、同じような意見が返ってくる。便利な仕組みですが、気づかないうちに違う考え方が見えにくくなることがあります。

「便利なのは便利だけど、固定概念とかにとらわれていきそう」。チャットにこんな気づきも書き込まれました。

さらに、クリックを集めることが収入につながる「アテンション・エコノミー」が、過激な内容やフェイク・誤情報を生み、拡散や炎上につながることも紹介されました。子どもたちからは「あと5分だけっていって1時間たつ、、」という声も。ネットや動画が、つい見続けたくなるようにつくられていることも、自分たちの日常と重ねながら考えました。

フェイクはなくならない。立ち止まって考える習慣を

質疑応答の終盤、チャットに「ほいほい信じるんじゃなくてちょっと立ち止まって考えるのが大事なのかな」という言葉が届きます。 鈴木さんも「いいこと言いますね、まさに」と応え、「まず立ち止まる、チェックする、チェックしてもわかんなかったらシェアしない」と伝えました。

フェイクニュースはなくならない。でも、すべての情報を疑い続けるのも現実的ではありません。ネットを怖がるのでも、無条件に信じるのでもなく、便利さとリスクの両方を知って、どう付き合っていくかを立ち止まり考え続けることが、これからのメディアリテラシーなのだと感じる講座でした。


「親子で学ぶデジタル・シティズンシップ講座」は、公益財団法人ベネッセこども基金の「2025年度経済的困難を抱えるこどもの学び支援活動助成」の支援を受けて活動しています。

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