KCC JOURNAL
KCCジャーナル
2025/9/9
英語で学ぶコンピュータ・サイエンス Season7 第5回 開催レポート

英語で学ぶコンピューター・サイエンス
「Creativity Unlocked: Japan Vibe Cooding /
創造性を解き放つ:ジャパン・ヴァイヴ・コーディング」
【日本時間】2025年7月27日(日)9時30分~11時30分
【シアトル時間】2025年7月26日(土)17時30分~19時30分
Web会議ツール「ZOOM」を活用し、米国シアトルに拠点を置くGoogle社をはじめ、多くの企業のエンジニアの方々にティーチングアシスタント(TA)としてご参加いただきました。
オンサイトでは神戸会場が大いに賑わい、オンラインでは日本各地に加え、アメリカ・マレーシア・インド・カナダ・オーストラリアの計6カ国から、参加者とスタッフを合わせて120名を超える方々にご参加いただきました🙌
今回のオンライン会場の募集ページはこちら
今回の神戸会場募集ページはこちら
前回の開催レポートはこちら
📌〈英語のレベル〉
申し込み時に参加者は自分の英語レベルに応じてL1~L3を選びます。
L1:主に日本語を使用しますが、重要なキーワードや簡単な単語には英語を取り入れます。英語にまだ慣れていない方や、学校の授業程度の英語レベルの方向けです。
L2:日本語と英語をほぼ半分ずつ使用します。英語をさらに学びたい、チャレンジしたい方や、英検4級程度のレベルの方向けです。
L3:全て英語で行います。日常会話が理解できるレベルの方向けです。
〈ブレイクアウトルームの分け方〉
英語のレベルで4~6人のチームに分かれて活動をします。各チームにTAがつくので、参加者は分からないところを聞くことができます。 ※TA=ティーチングアシスタント
Zoom オープン!

イベント開始時刻が近づくと、Zoomの待機室は次第に活気を帯びてきました。日本はもちろん、アメリカ、マレーシア、インド、カナダ、オーストラリアなど、世界中の子どもたちが画面越しに手を振り、「こんにちは!」「Hi!」と元気な挨拶を交わします。その様子からは、参加者の期待と高揚感がひしひしと伝わってきました。

今回のイベントは、「英語で学ぶコンピューター・サイエンス」シリーズのSeason7第5回として、最新のAIを使ったゲーム開発に挑戦する「ヴァイヴ・コーディング」です。GoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」をパートナーに、自分だけのオリジナルゲームをつくります。
進行役のMasaさんが、「日本中、世界中、本当にいろんなところから人が集まってきています。ちなみに私は火星にいるんですけどね😄」とジョークも飛び出して、場の雰囲気を和ませてくれました。

この日はオンラインと神戸会場のハイブリッド開催。全員がそろったところで、今日のイベントの目的と、いくつか大切な約束を確認しました。
Masaさんは「チャットでは、みんなが楽しい気持ちになるようなやさしいコメントだけ使ってね😊」「(AIを使うので)大人の方と一緒に参加してくださいね」とやさしく呼びかけました。
イベントメンバーの自己紹介
今日のゲームづくりのコーディングを案内してくれるのは、進行役のMasaさんとメインレクチャー講師のUtakoさん、Gregさん、Justinさんです!

Masaさんは、日本とアメリカでの仕事のことや、某ヴィジュアル系バンドのアーティストが大好きな話をしてくれて、意外な一面を見せてくれました✨

Utakoさんは「英語が苦手でも大丈夫、わかりやすい日本語でサポートします!」と笑顔で宣言😊


英語パートの担当は、アメリカに住んでいるクールなGregさんと、カナダ出身で穏やかな笑顔が印象的なJustinさんです。

じつはこの3人、世界的に有名なIT企業で働いているソフトウェアエンジニア。業界の最前線で活躍するプロからAIの仕組みやプログラミングのコツを直接学べるのは、とても貴重な機会です。ゲーム制作だけでなく、英語を学ぶ良い機会にもなっていたようです。
生成AIって何ができるの?

「生成AI」とは、テキストや画像、動画など、様々なコンテンツを生成するAIのことです。
昨年は、生成AIで画像をつくる講座がありました。下のイラストは、どちらも「自転車に乗ったトラ」ですが、まったく違うタッチです。

左側は「青いバイクに乗ったトラを実写風につくって」という内容で、右は「黄色いバイクに乗ったトラを漫画風に」というプロンプトでつくったもの。
プロンプトの内容を少し変えるだけで、こんなにも違いが出てくるなんて、とてもスゴイことだと思いませんか?

では最近のAIに目を向けてみましょう。
最初に注目されたのは、2022年に登場した「chatGPT(チャットジーピーティ)」でした。そこからここ数年でAI技術は飛躍的に発展し、毎日のようにアップデートされています。

そして、前回の画像生成の講義から大きく変わった点は、生成AIでコーディングができるようになったことです。
驚くことに、今はプロのソフトウェアエンジニアでさえ、ゼロから手入力するのではなく、AIを活用してコードを書くようになっています。

そこで今回、参加した子どもたちにも、AIを使ってゲームのコーディングに挑戦してもらうことになりました✨
コーディングに使うのは、最近話題のGemini。文章作成が得意なAIとして知られていますが、コードを書くのも得意です。
生成AIを使いこなすコツとは
ここまで聞くと、「AIは魔法のように何でもできる万能なツール」。そう思うかもしれませんが、決してそうではありません。うまくAIを使いこなすには、いくつかのコツと注意点があります。

【トライ&エラーの精神が大事】
まず大切なのは、「失敗しても大丈夫!何度も挑戦しよう!」という粘り強いマインドです。最初のプロンプトで100%の答えが出るとは限りません。何回も何回も修正を試みて、プロンプトを調整しながら、理想のゴールをめざしてください。
次に「複雑なタスクは、小さいタスクに分けて実行すること」。小さいタスクを積み上げていくことで、大きな成果につなげ、完成させることができます。
最後は「うまくできないときは、簡単なお願いごとから試すこと」。最初から複雑なプロンプトを与えると、AIが混乱して意図しない答えを出すことがあります。うまくいかないときは、タスクを小さく分割するか、シンプルな依頼に戻して試すことが効果的です。

【AIの「ハルシネーション」に注意】
AIはときどき、嘘をつきます。本当はないことを「ある」といったり、見た目はよくても、実際には不完全なプログラムをつくったりします。これを日本語で「幻覚」を意味する言葉、「ハルシネーション」と呼びます。
その対策としてもっとも重要なことは「AIがつくったものを鵜呑みにしないこと」。AIの答えが本当に正しいか、しっかり見極めることが大切です✨

またAIは、突拍子もないほど独創的で、新しすぎるものをつくることは苦手です。たとえば、「スーパーマリオのようなゲームで、主役はクマさん」なら、すぐに似たものをつくれますが、「電気ウナギが宇宙で剣を持って戦うゲーム」となると、AIは経験のない注文に混乱してしまいます🤔
逆に考えれば、世の中にすでに存在するものや、AIが学習済みであろう内容をプロンプトにすると、よりスムーズにゴールにたどり着くことができるということです。
成功のポイントは「人間とAIの二人三脚」

「AIがこんなにスゴイのなら、人間がプログラミングを勉強する必要はない?」
もしかしたら、こう考える人がいるかもしれません。しかし、答えはNOです。
AIは便利ですが、その結果が正しいかどうかを判断し、より良い形に仕上げるのは人間の役割です。AIは、あくまで私たちの作業を効率的にしてくれる便利な「道具」。私たち人間のかわりはできません。
だからこそ人間とAIが、それぞれの得意なことを活かして協力し合うことで、一人で、あるいはAIだけでやるよりも、はるかにパワフルでスピーディーな開発が可能になります。
そして未来は、人間とAIの力を合わせたものづくりが当たり前になっていくでしょう。
ブレイクアウトルーム(ゲームづくり実践)

メインレクチャー終了後、ブレイクアウトルームでの活動は英語のレベルに応じてL1、L2、L3に分かれて実施することに。各ルーム5名程度、合計19ルームに分かれて、いよいよオリジナルゲームづくりのスタートです✨

今回はL1チームを覗いてみました。まずは英語で自己紹介から。名前と出身地、好きなものについて、一人ひとり話します。はじけるような笑顔がかわいい元気な子、緊張しながらも流暢な英語で自己紹介する子、そして海外から参加している子など、様々です。会話を重ねるうちに、みんな次第にリラックスし、和気あいあいとした雰囲気のなかゲームづくりが始まりました。
TAが、まずゲームのつくり方を解説。従来のコーディングは、パソコンのキーボードで地道にコードを書いていくのが一般的ですが、今回はAIを使ったコーディングです✨

子どもたちの役割は、アイデアを出すこと!
TAが「最初にゲームのテーマを決めましょう!」と呼びかけると、さっそく「富士山」という元気な声が上がりました。
そこで TAは「富士山をテーマに、楽しくてかっこいいゲームをつくってください」とAIにプロンプトを入力。すると、Geminiはものすごい速さでゲームのプログラムを生成し、あっという間に富士山を背景にしたシューティングゲームを完成させました。

その後も、「富士山のイラストをもっとリアルに!青色に!」「矢印キーで上下運動もできるように!」 と、子どもたちからアイデアが次々と飛び出します。そのたびにゲームはどんどん面白く進化し、子どもたちは夢中に。
クイズ「Kahoot」にチャレンジ!

ワークショップのあとは、本日のおさらいとしてクイズ「Kahoot(カフート)」の時間です。参加者が続々集まってきました。

「今日使ったツールは何でしょう?」「ヴァイヴ・コーディングとは?」 「AIに指示を出す文章を何という?」
次々と出される問題に、子どもたちはみんな真剣そのもの。ランキングが入れ替わるたびに「やったー」と喜ぶ子、「ああー😭」と悔しがる子で会場は大盛り上がり。上位3名には、すてきなプレゼントが贈られるとあって、最後まで白熱した戦いが続きました。

オリジナルゲームの発表会

イベントの締めくくりは、それぞれのブレイクアウトルームで制作されたオリジナルゲームの発表会です!GregさんとJustinさんが、この日つくられた作品のなかから3つをピックアップしてくれました。
・複雑なマリオカート風のゲームに挑戦して「AIにも限界があるんだ!」という発見をしたチーム。
→作品はこちら!
・猫が指定された形を描く、ユニークなパズルゲーム「カリグラフィーキャット」を生み出したチーム🐾
→作品はこちら!
・花火が打ちあがる美しいグラフィックを取り入れた「花火テトリス」を完成させたチーム。
(※作品リンクはありません)
最後はハイスコア機能まで搭載した「花火テトリス」をみんなでダウンロードしてゲーム大会を開催。イベントは熱気と笑顔に包まれたまま、幕を閉じました!
AIの可能性×子どもの好奇心が、未来を創る

今回のイベントは、子どもたちがAIを「知る」だけでなく「触れて、つくって、工夫する」体験となりました。最初は思い通りに動かなかったゲームも、自分のアイデアで動き出したときの達成感やワクワクは、何より大切な学びになったはずです。
参加した子どもたちからは「ゲームづくりが楽しかった」「言ったことが本当にゲームになるのが面白かった」といった感想が寄せられました。保護者からも「夢中でカスタマイズする姿に世界の広がりを感じた」「親にとっても良い学びになった」との声が上がり、みなさん有意義な時間が過ごせたようです。
スタッフにとっても、知的好奇心に火をつけるプログラムの手応えを実感でき、AIの可能性をあらためて感じる機会となりました。これからも、子どもたちが未来を生き抜く力を育む活動を続けてまいります。どうぞ、温かいご支援とご協力をよろしくお願いいたします!
▼次回のイベント予告
Level Up Your CS with Databases! / データベースを学んで、CSをレベルアップ!
【日本時間】2025年10月19(日)9時30分~11時30分
【シアトル時間】2025年10月18日(土)17時30分~19時30分
▼アンケートの一部を紹介します。
Q.良かったことやうれしかったこと、楽しかったことなどをおしえてください✨
<子ども>
自分でゲームを作れたことが楽しかった!英語で話せたことがよかった。
自分でゲームを作れたことや、ブレイクアウトルームの先生がとても優しく、わかりやすかったので、嬉しかった。最後にゲームできたのもたのしかった。
最後にやったゲーム(花火テトリス)が面白かった。全く知らなかったAIについて、少しわかった。例えば複雑な質問は適さないとか。
自分の発言が、採用されたこともとても嬉しく有意義だった。
To make game with AI
Q.今回のイベントで嬉しかったこと・良かったこと、ご自身の気持ちの変化、お子さんとのエピソードなどがあれば教えてください😊
<保護者>
今までこういったイベントに参加したがらなかったのですが、今日とても楽しそうに参加できたことが、母としてもとても嬉しかったです。リアルで参加できたのも良かったのかもしれません。大人でも難しい内容ですが、親子で学べたこともとても良い経験になったと思います。
英語に不安がありましたが、楽しそうに受講できたのでよかったです。
最初は緊張していたのか、集中していなかったけど、先生達のわかりやすい説明で、どんどん集中していき、最後はノリノリでした。終わった後も、早速「Gemini」を自分で検索して試していました!
AIに対して、必要以上に怖がっていたのですが、少し理解できて身近になったと思います。
いつもはマインクラフトしか興味がなかったのでプログラミングは楽しくできるかなと少し心配でしたが、レッスン中は終始笑顔でとても楽しそうであっという間の2時間だったようです。次回もまた参加したいようなので、楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
Q.What were the things that went well at the event? / イベントでうまくいってたことはなんですか?
<TA>
Children were proactively sharing their thoughts in break out room.
子どもの指示を入力して実際にゲームを作成し、整えることができた。意見がたくさん出ていた。
☆☆Thank You Teachers!☆☆
Charles (Seattle)
Elena (Seattle)
Giyoul (Seattle)
Greg (Seattle)
Hatsune (Seattle)
Jing (Seattle)
Jon (Playa Vista)
Justin (Seattle)
Kazuma (Mountain View)
Kenji (Seattle)
Krishna (Tokyo)
Masa(Seattle)
Masaki (Seattle)
Masataka (Fukuoka)
Pawel (Tokyo)
Praveen (Mountain View)
Rama (Singapole)
Riona (Okinawa)
Ryan (Mountain View)
Ryoichi (Kumamoto)
Tomoko (Fukuoka)
Utako (Tokyo)
Yi (Seattle)
Yumi (Seattle)
Yuya (Seattle)
☆☆CS in English Project Team☆☆
Seattle Team: Seattle IT Japanese Professionals
Kumamoto Team: 特定非営利活動法人くまもと L R ネット
Kobe : 神戸市役所経済観光局新産業創造課
Noto team : ピースウィンズジャパン
のと教育研究所
Fukuoka Team: 一般社団法人Kids Code Club

英語で学ぶコンピュータサイエンスの活動は、皆様の寄付によって支えられています。
活動継続のための寄付をお願いします!
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レポート:Kids Code Clubコンテンツチーム ゆみこ
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