KCC JOURNAL

KCCジャーナル

2025/11/18

英語で学ぶコンピュータ・サイエンス Season7 第6回 開催レポート

英語で学ぶコンピューター・サイエンス
Level Up Your CS with Databases! / データベースを学んで、CSをレベルアップ!

【日本時間】2025年10月19日(日)9時30分~11時30分
【シアトル時間】2025年10月18日(土)17時30分~19時30分

Web会議ツール「ZOOM」を活用し、米国シアトルに拠点を置くGoogle社をはじめ、多くの企業のエンジニアの方々にティーチングアシスタント(TA)としてご参加いただきました。
オンサイトでは熊本会場が賑わい、オンラインでは日本各地に加え、アメリカ・マレーシア・中国・カナダ・シンガポールの計6カ国から、参加者とスタッフを合わせて90名を超える方々にご参加いただきました🙌

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📌〈英語のレベル〉
申し込み時に参加者は自分の英語レベルに応じてL1~L3を選びます。
L1:主に日本語を使用しますが、重要なキーワードや簡単な単語には英語を取り入れます。英語にまだ慣れていない方や、学校の授業程度の英語レベルの方向けです。
L2:日本語と英語をほぼ半分ずつ使用します。英語をさらに学びたい、チャレンジしたい方や、英検4級程度のレベルの方向けです。
L3全て英語で行います。日常会話が理解できるレベルの方向けです。

〈ブレイクアウトルームの分け方〉
英語のレベルで4~6人のチームに分かれて活動をします。各チームにTAがつくので、参加者は分からないところを聞くことができます。 ※TA=ティーチングアシスタント


オープニング

CS in English Season 7 、第6回「データベースを学んでCSをレベルアップ!」が、いよいよ始まりました。

進行役のMasaさんは、「CS in Englishはじめま~す。よろしくお願いします!」と元気いっぱいに開会を宣言。「私は福岡、東京、福島、茨城、シアトル、そして火星まで、あちこちをぐるぐる回っているような、そんな生活をしています😆」と、ユニークな自己紹介で会場を笑わせます。

続けて、講師のUtakoさんが登場! 東京のAmazon Japanでソフトウェアエンジニアとして働く彼女は、「Gregさんの説明を、皆さんにわかりやすく伝えたいと思います」と笑顔で意気込みを語ってくれました。

一方、Googleで働いているというGregさんは「シアトル在住です。趣味はロッククライミングとルービックキューブ。グリルで焼いた肉が大好きです」と自己紹介。わざわざ、アメリカからの参加に、みんなもワクワク🤩期待が止まらないようでした。

今回のイベントは、Zoomを使ったオンライン形式に加え、熊本での現地開催も含むハイブリッド形式。Masaさんの「日本中、世界中、宇宙中?から集まっています!」という言葉通り、約90名がさまざまな場所からこの場に集まりました。

ちなみに、本日習ったことは、最後にクイズ形式のKahoot(カフート)で確認するとのこと。「いいスコアを出せるよう、しっかり聞いてくださいね!」と、Masaさんがみんなに呼びかけました。

データベースってな~んだ?→情報を整理する「便利な引き出し

本日のテーマは、「データベースと、それを扱うためのSQL(エスキューエル)言語の基礎」です。

ところで、「データベース」とは、いったいどんなものなのでしょうか❓

Gregさん、Utakoさんによると、「データベースは、たくさんの情報が詰まったテーブル」と説明してくれました。例えるなら、それは“便利な引き出し”のようなもの。

昔はデータベースがなく、情報を探すには辞書のように紙をめくって、1つずつ手作業で調べていました。たとえば「ネックレス」の意味を調べるのは比較的簡単ですよね。でも、「4文字の単語は日本語にいくつあるのか?」という質問になると、どうでしょう? ものすごく大変そうです。

しかし、データベースがあれば話は別。たとえば参加者の名簿をもとに「“あ”から始まる名前の人は何人いる?」といった質問でも、SQLを使って検索すれば、あっという間に答えが出るのです。

とても便利ですよね✨

SQLで情報を取り出す3ステップ

紙の辞書では時間がかかった複雑な検索も、データベースを使えばほんの一瞬でヒットします。

では、どうやってデータを取り出しているのでしょう?
はい😊!じつは、その仕組みはたった3つのステップでできています。

●ステップ1:質問を投げかける
まず、データベースに質問を送ります。この質問のことを「Query(クエリ―)」と呼びます。英語で「質問」や「聞きたいこと」という意味なのですが、たとえば「Pから始まる英単語はいくつありますか?」という質問をQueryとして送ってみてください。

●ステップ2:コンピューターが検索する
次に、コンピューターがそのQueryを受け取って、データベースの中身を読み込んでいきます。辞書をめくるように、一つひとつの情報を確認しながら、信じられない速さで処理を進めていきます。

●ステップ3:コンピュータがその答えを導き出してくれる
この間の時間は、本当にあっという間です。コンピュータは一つひとつの単純作業を行うことは、ひじょうに早いので、Queryを投げかけてから、ほんの一瞬で「Pから始まる単語は870個ありましたよ!」といった具合に正確な答えを教えてくれます。

データベースに条件を出す「SQL」とは?

Gregさんは、「SQLは検索するための言語のひとつ」であり、JavaやPythonなどの一般的なプログラミング言語とは異なる、特別な役割を持つ言語だと説明してくれました。

つまりSQLは、人間とデータベースの間をつなぐ“橋渡し役”なのだそうです。

AIで専用ツールを開発!

ちなみに、あとで行うワークショップでは、文字を入力する代わりに、ある“ツール”を使用しました。

というのも、今回のテーマで問題となったのは、子どもたちにどうやってSQL文を書いてもらうか。テキストコーディングに慣れていない小学生も多く、Queryの知識とコーディングを同時に体験するのはハードルが高すぎます。

そこでScratchのようなブロックコーディングでQuery文が作成できる自作ツールを開発することに。

開発されたのは、CodexやGemini 2.5 ProなどのAIをフル活用し、GoogleのBlocklyというライブラリを使って、Scratchのようにマウス操作でSQLが書ける画期的なツールです。

書いたQueryのスクショを撮ってGallery機能で参加者全員と共有する機能も搭載し、すべてAIの指示だけでコーディングをするVibe Codeingで完成できました。AIのフル活用で自由自在に教材が作れる時代になったことを強烈に実感したイベントとなりました。

SQL検索の基本と応用:SELECT, FROM, WHEREから高度な分析まで

さて、実際にSQLで情報を取り出すときには、どんなキーワードが必要なのでしょうか😕❓

基本となるのは、SELECT・FROM・WHERE の3つです。

  • SELECT:何を選ぶか

  • FROM:どこから選ぶか

  • WHERE:どんな条件で選ぶか

この3つを組み合わせることで、欲しい情報だけを正確に取り出すことができます。

さらに、COUNT(カウント/数える) を使えば、「いくつあるか?」という結果を数字で出すことができます。

そのほか、より複雑な分析を可能にする便利なキーワードも紹介されました。
たとえば、

  • GROUP BY:学年ごとや血液型ごとなど、同じグループにまとめる

  • ORDER BY:大きい順や小さい順に並べ替える

  • DISTINCT:同じ結果が重複して表示されるのを防ぐ

  • AS:長いカラム名に短い別名をつける

  • LIMIT:表示する件数を制限する(例:「最初の5件だけ」)

これらをうまく使いこなせば、まるでデータサイエンティストのように、自在にデータを操ることができるのです。

ちなみに、今回の学習で使うデータベースは、事前に行った参加者アンケートをもとにしたオリジナルの学習用データベースです。

横軸はROW(ロー/行)。一人ひとりの生徒の情報を1行ずつまとめた個人情報になっています。

縦軸はCOLUMN(カラム/列)。「出身地」「好きな果物」「好きな教科」など、質問項目ごとに整理されたデータが並んでいます。

ブレイクアウトルームで、実際に体験しましょう

メインレクチャーで基礎を学んだあとは、いよいよ実践編です。
子どもたちは英語の習熟度別に少人数のグループに分かれ、ワークショップに挑戦します。

今回は、日本語を中心に説明が受けられるL1-1のクラスをのぞいてみました。

参加者から事前に提出してもらったアンケートをデータベースとして使い、ブロックエディタを使ってSQLを組み立てていく作業を体験していきます。

お題は「国・地域ごとの人数を表示させてください」です。みんなでいろいろ考えながら、次のような条件を入れてみました。

  • SELECTは「国」と「人数」

  • FROMは参加者の事前アンケートをまとめたデータベース

  • GROUP BYは「国」

そうしたら、どうでしょう? ぱっと結果がでたのです。「日本からの参加者が26人、アメリカからが1人、その他の国からが1人」。

あまりにも素早く結果が出てきたことに、みんな驚きながらも、うれしそうなのが印象的でした。

本日の学びをクイズにした「Kahoot(カフート)」に挑戦

約40分間のワークショップを終えてメインルームに戻ると、教室には熱気があふれていました。その勢いのまま、いよいよ、学んだ内容を試すクイズ「Kahoot(カフート)」にチャレンジします。

「上位3名にはアマゾンギフト券がもらえるかもしれないよ!」というMasaさんの一言に、子どもたちの表情は一気に真剣モードへ。軽やかなBGMが流れるなか、練習問題を終えると、いよいよ本番スタートです。

「今日学んだトピックは?」。
「データベースからデータを取り出すときに使う言語は?」
基本的な簡単な問題は、ほとんどの人が正解していました。

全員が自信満々に答え、正解の早押しのスピードでスコアが次々と変動していきます。画面上では参加者の名前が入れ替わり、まるでスポーツ観戦のような盛り上がりです。

中盤には、「GROUP BY」や「LIMIT」を使った少し難易度の高い問題も登場しました。これには、少し戸惑った人もいて、すかさずGregさんとUtakoさんが解説。子どもたちは、「なるほど😲!」と画面越しに納得のアクションやコメントを送ってくれました。

こちらの問題は「What can be done with SQL using the database from this survey? 今回のアンケートのデータベースからSQLでできることは何でしょう?」

  • 赤:アメリカのどの州からの回答が多いか把握をする

  • 青:人気教科をランキング化する

  • 黄:国ごとの習い事数の傾向を把握する

  • 緑:子どもたちの将来の夢の傾向を把握する

さ~て、正解は?
はい、そう! すべてYESが答えです😆✨

途中、難問もたくさんありましたが、こちらは多くの子どもたちが正解を出していました。本当にスゴイ✨✨✨

優勝者にインタビューしてみました

気になる正解者のランキングは、激しいスコア争いの末、Ryotaさんがみごと1位に輝きました! 2位はSaayaさん、3位はMinoさん。

祝福の拍手のあと、Masaさんが「上位3名の方に感想を聞いてみましょう」とインタビューが始まりました。

3位Minoさん:「焦っちゃったけど、意外と簡単でした」と笑顔で答え、クイズの緊張感を楽しんだ様子。

2位Saayaさん:「最初は間違えたけど、後半で追い上げられました。面白かったです」と満足そうに振り返りました。

そして1位のRyotaさん:「今日初めてデータベースを触ったんですけど、意外と簡単なんだなと分かりました。これからも少しずつ触ってみたいです」と意欲を見せてくれました。

3人の言葉に、Masaさんも思わず「嬉しいですね!」とニコニコ😊

参加者の中からピックアップした、ユニークで印象的なSQL事例

さて、講義も終盤ですが、最後にUtakoさんがブレイクアウトルームの様子を振り返り、印象的なSQLを紹介してくれました。

LiさんのSQL「SELECTでGrade(学年)とCOUNT(数)を指定し、GROUP BYでGrade(学年ごと)にまとめる」。
これは「何年生が何人参加していますか?」という問いですね。結果は6年生が7人と、最も多いことがわかりました。

SotaさんのSQLは「好きな動物」を調べるQueryでした。
ORDER BYに「favorite_animal_ASC」を指定していました。「ASC」はアルファベット順並べ替える指示です。
結果は犬や猫など身近なペットのほかに、レッサーパンダやキリンなど個性的な回答が並び、子どもたちの多様な興味が見えました。

さらにYukaさんのSQLは「みんなの将来の夢」と「人数」を集計するものでした。
結果を見ると、ゲームクリエイターを目指す人が5人。Utakoさんは「やっぱりマイクラ好きなのかな」と笑っていました😊😊

最後に紹介されたのは、TaigaさんのSQLです。
これは「好きなゲーム」と「好きな教科」の関連性を分析する、非常に高度なクエリでした。
結果、「アクションゲームが好きな人は体育も好き」といった傾向まで導きだすことができて、Utakoさんも子どもたちの創意工夫に感心しきりでした。

4人のワークショップの成果に、みんな拍手喝采!

講座のまとめ

今回の「CS in English Season 7 第6回」では、小中学生のみんなが、データベースの仕組みを学びながら、SQLを使って、複雑な情報をすばやく取り出す体験をしました。

Kids Code Clubは、これからも子どもたちの未来につながる学びを継続的に届けていくことをお約束します。
この活動は、個人・法人・財団からのご寄付や助成金、そして多くのボランティアの皆さまのご協力によって支えられています。
テクノロジーを楽しく、自由に学べる環境をさらに多くの子どもたちへ届けるため、KCCは今後も努力を続けてまいります。

みなさまの温かいご支援を、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


▼次回のイベント予告

Participate in the Hour of AI at CS in English / Hour of AI に CS in English で参加しよう!
【日本時間】2025年12月7日(日)9時30分~11時30分
【シアトル時間】2025年12月6日(土)16時30分~18時30分


▼アンケートの一部を紹介します。

<子ども>

Q.良かったことやうれしかったこと、楽しかったことなどをおしえてください✨

  • プログラムを組むときに段々とできていってたのしかった。

  • I liked trying out the tools you gave us.

  • SQU Builderでブロックでコードを作るのが楽しかったです。

  • sqlを使って自分がしたいことをできたこと。

  • コーディングが楽しかった。

<保護者>

Q.今回のイベントで嬉しかったこと・良かったこと、ご自身の気持ちの変化、お子さんとのエピソードなどがあれば教えてください😊

  • 難易度が高いかと思っていましたが意外と子どもが理解していたことが嬉しかったです。

  • 最初は「難しくてわかんない」と言ってましたが、クラス分けしてから、少しずつわかったみたいです。

  • ブレイクアウトルームでは、求められたタスクをこなすだけではなく自ら楽しんでクエリを作っていたのでとても良い経験になったと思います。

  • 英語でのコミュニケーションは問題ない我が子ですが、シャイな性格で発言に勇気がいるようです。ブレイクアウトルームではタブレット操作が思うように行かず、遅れをとってる事に親子で焦ってしまいました。もう今日はいいか、と諦めかけた母をよそに、勇気を振り絞って先生に助けを求める発言ができた事が本当に嬉しかったです。また、限られた時間の中、真摯に対応してくださった先生にも感謝しております!ありがとうございました!

<TA>

Q.What were the things that went well at the event? / イベントでうまくいってたことはなんですか?

  • Feels like the students definitely learned more about databases and how to query them!

  • Kids seem to enjoy the game in the end!


☆☆Thank You Teachers!☆☆

Charles
Giyoul
Greg
Jing
Joren
Kevin
Li
Lu
Luis
Masaki
Masatoshi
Raymond
Riona
Ryan
Saki
Sana
Srinivas
Utako


☆☆CS in English Project Team☆☆

Seattle Team: Seattle IT Japanese Professionals
Kumamoto Team: 特定非営利活動法人くまもと L R ネット
Kobe :  神戸市役所経済観光局新産業創造課
Noto team : ピースウィンズジャパン
                     のと教育研究所
Fukuoka Team: 一般社団法人Kids Code Club

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レポート:Kids Code Clubコンテンツチーム ゆみこ

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