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AIを使って「考える」にはどうしたらよいか? ー オンライン講座で伝えた、高校生としてのAIとの付き合い方

Kids Code Clubが毎週開催している「放課後プログラミングクラブ」では、子どもたちのデジタル創作活動を支える「高校生メンター」が活躍しています。今年11月から来年3月まで活動を支えていただく第3期生として10人がボランティアとして参加することになりました。デジタル創作の支援といっても、「プログラミングにはまだなじみがない」という参加者ももちろんいます。そこで、AIを活用してデジタル知識を身につけてもらおうと毎期開催しているのが「高校生メンターAI講座」です。本記事では12月14日に開かれたオンラインセッションの内容をお伝えしていきます。

講師はKCC理事の板垣政樹氏AIを‶漫然と利用する”と引き起こす「知識の負債」 ー 衝撃の研究結果
冒頭で紹介されたのは、今年6月に発表されたMIT(マサチューセッツ工科大学)を中心とした研究で、AIの利用がどのように脳の活動に影響を及ぼすかを調べた実験です。被験者を3つのグループに分けて小論文(エッセイ)の問題に取り組んでもらいました。

まず、書いた小論文をどの程度覚えているかを調べてみると、AIを使ったグループは、自分が書いた小論文の中からの引用を求められましたが、ほとんどが答えられなかったそうです。つまり、AIが生成したテキストを写すだけでは自分が書いたことすら覚えていないという「知識の負債」ともいえる現象が顕著で、自力組や検索組とは明らかな差が出ました。

AIをただ使うだけだと能力が低下する?
もっと衝撃的だったのが、このグループ実験を4か月ほど続けた後の実験です。AI組と自力組を交代させるとどうなるかを調べてみました。AI組がいざ自力で論文を書こうとしても、脳ががんばって活動してくれず、論文の評価も引用力なども回復しなかったそうです。

しかし、注目すべき点は、自力で小論文を書き続けたグループが、いざAIを使うと、自力でやっていた時よりも脳の活性が強化され、小論文の質も良くなったということです。つまり、きちんと自分で考える素地をもってAIを使うことがパフォーマンスを最大に向上させることにつながるとも言える結果だったわけです。
AIは「考えるために」使うこと!
この実験から学ぶべき点は、ただ単に宿題を終わらせたり、解答だけを得るためにAIを使い続けることで「負のインパクト」が出てくる点です。しかし、それでAIを使ってはいけないという結論になるわけではなく、考えるツールとしてAIを使うことが大切だということをしっかり理解すべきです。そのために普段はどのようにAIを使えばよいか。「勉強」を例にとって活用方法を紹介しました。
AIの「学習モード」を使うことで、自分を「考えるモード」に!
GoogleのGeminiやOpen AIのChat GPTなどには「学習モード」という機能が搭載されています。質問をしてもすぐに答えは出さず、ステップバイステップで「ここはどうなると思いますか?」といったように一緒に解答を導く家庭教師的な役割を果たしてくれます。まずはこの機能をフルに活用して勉強に生かすのがコツの一つです。

こうした工夫をすることで、安易に解答を写すようなことはせず、AIを思考の助けにする強力なツールにすることができます。
「そもそも」を聞き続ける努力を
当然ですが、AIは何度質問をしても一切文句は言いません。人間相手だと遠慮や躊躇でなかなか質問ができませんが、AIは永遠に壁打ちに付き合ってくれます。講座では実際の大学共通テストの数学の問題を解いてもらいましたが、勉強モードで解答方法を理解するだけではなく、この問題にまつわるいろんな知識をAIから吸収する「そもそも質問」も考えてみました。

そもそも因数分解は何のためにやるの?
この問題でどうしてXの値が2つ出てくるの?
この式はどうして「=0」になっているの?
二次方程式と二次関数って何が違うの?
そもそも「方程」って何?
二次方程式って英語でどういうの?
二次方程式が実生活で役に立つ時ってあるの?
こうした「そもそも質問」を徹底的にAIに聞き続けることでいろいろなことがわかってきます。そうしているうちに、先に解いた因数分解の問題がものすごく簡単に感じられるようになります。これがまさに「AIを考えるために使う」というアプローチなのです。

結論と行動に責任があるのはAIではなく自分です
AIを考えるために使うコツのもう一つは、「AIを主語にしない」ということです。つまり、「AIが〇〇と言っていた」、「AIを使ったら〇〇だった」のように、自分が作った成果物や自分が判断して決めたことにAIをからめないということです。考えるためAIは積極的に活用するものの、AIが示した情報はあくまで「参考」にとどめないといけません。そこからどのような結論を導き出し、どのような行動を取るかはすべて自分が決めたこと。「AIが〇〇と言っていたから…」と言わないためにも、「自分が〇〇だと思ったから」という結論にしていくことを意識することが大切です。これが「AIの回答を鵜呑みにしない」ようにできる最も効果的な思考アプローチです。
デジタル創作でもAIを積極的に活用
これから3か月間、高校生メンターの皆さんの間でも積極的にAIの活用方法について意見交換をしていきます。放課後プログラミングクラブでも積極的にAIを活用して子どものサポートに生かしていけるはずです。今回のメンターシップを通してAIとの付き合い方についても子どもたちの模範になってくれることを期待したいと思います。

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