KCC JOURNAL
KCCジャーナル
ITキャリアイベント:「一日中ゲームをしていられる仕事」って何?【第7回開催レポート】

キャリア教育講座について
2025年度は、ITキャリアイベントの対象を拡大し、これまでの「デジタル探究プログラム」に参加している小中学生に加えて、「放課後プログラミングクラブ」の参加者も対象に含めて実施します。
本イベントでは、IT・クリエイター業界で活躍されている方々をお招きし、ご自身の仕事の内容やこれまでの歩み、子ども時代の経験などを語っていただきます。日々の活動と社会での仕事がどうつながっているのかを子どもたち自身が感じ取り、自分の将来を考えるきっかけとなることを目指しています。
今後も、子どもたちの視野を広げ、可能性に気づくための学びの場として継続して実施してまいります。
▽これまでのイベントレポートはこちらから
・第1回:ウェブデザイナー/システムエンジニア/プロダクトデザイナー
・第2回:クリエイティブディレクター/半導体開発エンジニア/写真・映像クリエイター
・第3回:ゲームクリエイター/音楽家/マーケター
・第4回:Yahoo!きっず楽しい体験を作り出せ!「しりタイピング」開発のヒミツ
・第5回:子どもたちの「好き」を未来の夢と仕事につなげる
・第6回:「グラフィックレコーディング」の世界を覗いてみよう!
「一日中ゲームをしていられる仕事」って何?

今回は「インディーゲーム・マーケティング」のお仕事をしているダン・エーデルマンさんを講師にお招きしました。
「一日中ゲームをしていられる仕事があったらいいなと思ったことはありますか?実は、それが本当にあるんです😆」事前に、こんなメッセージを受け取っていただけに、子どもたちの目は好奇心でいっぱい🤩✨将来のキャリアを考える貴重な機会となりました。
講師ダンさんは25年のベテラン

ダンさんは、大学時代のゲームショップでのアルバイトを経て、マイクロソフトのXbox部門で約6年間勤務。その後、任天堂アメリカ本社で約9年間、ダウンロードビジネスの立ち上げに携わりました。
そして独立した現在は、インディゲームのパブリッシャーをしているそうです。
インディーゲームの世界を覗いてみよう!
ところで、「インディーゲーム」って、どんなゲームか知っていますか?ダンさんによると、インディーゲームは大きな会社が何百人ものスタッフを抱えてつくるゲームとは違って、たった一人から数人の小さなチームでつくるゲームのことなのだそう。その代表例が、世界中で知らない人はいない大ヒットゲーム「マインクラフト」です。

ゲームをつくるには、プログラミング、絵(アート)、音楽、ステージデザインなど、いろんなスキルが必要ですが、ダンさんの担当は「ゲームをクリエイトすること以外、ぜ~んぶ」なのだそう。

具体的には、東京ゲームショウのようなイベントでのマーケティングやPR活動、関連グッズをつくってくれる会社さんとのやり取り、店頭で売るためのパッケージのプロデュース、ソニーや任天堂、Microsoftなどとの連携に関する交渉や調整など、本当に幅広いといいます。
どれも興味深い活動ですね……とはいえ、仕事のなかでダンさんが一番好きなのは、「やっぱりテストプレイ!」なのだそう。未発売の開発途中のゲームをプレイしながら、バグを見つけていく作業です。みんなで意見を出し合いながら改良して、「どんどん面白くなって、どんどん完成度が高くなっていく、そのプロセスを見るのがすごく楽しいんです」と、目を細めて語ってくれました。
ワークショップでは、大ヒットゲームのネーミングに挑戦
ところで、大ヒットゲームを生み出すには何が大切だと思いますか?
もちろん、ゲーム自体の内容がよくて、PRもやって、売れるための仕掛けはいろいろあります。が、そのなかでもゲームの名前は重要な要素のひとつ。インターネットで検索しやすいか、類似の名前のゲームはないか(商標が取れるか)をしっかり確認して、考える必要があります。
そこで、今回のワークショップでは、子どもたちに「マインクラフト」と「スクラッチ」のネーミングに挑戦してもらいました。
【マインクラフト編】
お題が出されて、すぐに出てきたのは、ドラゴンさんの「ピクセルブロックス」。マインクラフトのドット絵的な世界観とブロックで構成された空間をあらわしたアイデアがすばらしいです!

マイクラのサバイバル要素を捉えたBuuunさんの「ブロックサバイバー」、リヴァさんの「ビルドサバイバル」というナイスなアイデアも飛び出しました。mayuさんからは「夢の町」、はなJAMSさんからは「コンコン町づくり」という、日本を意識したネーミングが生まれました。
これに対して、ダンさんは「日本市場に向けてつくるなら、個人的に日本風の名前が好きです!」と高く評価。総じてどの名前も「マインクラフトより断然いい!」と大絶賛してくれました👍👍
【スクラッチ編】
スクラッチをテーマにしたネーミングでも、続々とユニークなアイデアが飛び出しましたよ。
ゆったんさんは「スクラッチは緑の旗でプログラミングが実行されるので“Flag World”は?」と、チャットを通じて提案。まぐろ博士さんはプログラミングの実行を意味する「Code Execute(コード・エクスキュート)」をヒントにした「codexe(コーデックス)」という、どこかしゃれた響きの名前を提案してくれました。
そこへ、インコまんじゅうさんが持ち掛けてきたのが、「宇宙にひとつ、オリジナルだよと(英語で)表現したいな」という相談です。ダンさんはじめ、子どもたちも一緒に考えはじめました。ダンさんが「日本語だと“唯一無二”なんだろうけど、英語だと何だろう?」と尋ねると、ヌックリさん「The only original in the universe」と答え、リヴァさんは「ユニックバース(ユニーク+ユニバース)」という造語を出してくれました。

こんなふうに、たくさんの意見が飛び交ってワイワイと楽しい時間は過ぎてゆき…ネーミングのワークショップは終了。
ダンさんに、みんなが気になる質問をしてみよう
ワークショップのあとは、子どもたちから事前に集めた質問に答えるQ&Aコーナーです!
Q:一つのゲームにかかる時間は何年くらいですか?
ダンさん:「ゲームの規模にもよりますが、うちの会社の一番新しいゲームは1人のプログラマーが7年間かけてつくりました。それと、まだ開発途中ですが、12年も取り組んでいるゲームがあって、完成までにあと2~3年はかかりそうです。平均すると5年くらいですね」。
想像以上に、長い年月をかけてつくっていることに、子どもたちは衝撃を受けていました。
Q:任天堂などのゲーム会社に入るにはどうしたらいい?
ダンさん:「特定の分野に集中して、そのスキルを磨くのが一番!クリエーターをめざす人だったら、自分でつくったゲームのポートフォリオを見せると有利になるかもしれませんね」。
今後、夢にどう向かっていけばいいのかのヒントを教えてくれました。

Q:ゲームの仕事をしていてよかったなと思うときは?
ダンさん:「Wiiを担当していたとき、業界ではじめてダウンロードサービスを立ちあげたことは印象に残っています」。
それに加えて、たくさんのゲーム開発者(デベロッパー)と出逢い、その人たちと成功を分かち合えたことが一番の喜びなのだとか。
Q:ゲームをつくるときに、おもしろいアイデアが出ないときの秘策は?
ダンさん:「ほかの人がつくったゲームを真似することからスタートしてみて!そこから、どう変えればもっとおもしろくなるのか、想像をふくらませてみる。何度も改善していくうちに、オリジナリティが生まれてきます。がんばって」。
こんな心強いアドバイスをいただきました!
Q:ゲームに夢中になると生活リズムが崩れます。どう時間管理をしたらいいですか?
ダンさん:「私も、時々、深夜までゲームに夢中になることも。でも、奥さんに怒られるのが怖い(笑)」。
最後は、まさかの人間味あふれる告白に、進行役のはるかさんが「時間管理があまり得意ではないんですか?」と切り込むと、会場の参加者からも「あるある!」と共感の声が。 ゲーム好きが集まる会場は一気に和やかな雰囲気になり、笑いに包まれたまま、イベントは幕を閉じました。

まとめ
今回のイベントでは、インディーゲームの業界で活躍中のダン・エーデルマンさんをお招きし、ゲーム業界のリアルな魅力や、キャリアの多様性について教えていただきました。憧れの業界のプロから直接アドバイスをもらえる貴重な機会に、子どもたちも大興奮。とても充実した1時間となりました。
KCCは今後も、子どもたちがIT社会で活躍するためのキャリア形成支援に尽力していきます。 引き続き、本活動へのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
参加した子どもたちの感想
ゲームを作るには、ただ開発するだけではなく、絵を描く担当の人がいたり、音楽担当の人がいたりとゲームを作ること以外にも活躍できる場があると知りました!
ゲーム制作とかだけではなくて、広告・マーケティングが大変だと知ったし、ゲーム制作に年単位の時間がかかるのも驚きました。
マイクラを1人の人が作ったのを初めて知ってびっくりしました。最初はあんまり売れていなかったのに、今では世界中の人が知ってるすごいゲームなので自分もがんばればゲームを作ってみんなに知ってもらえるかも!と楽しい気持ちになりました。
「ITキャリアイベント」は、公益財団法人ベネッセこども基金の「2025年度経済的困難を抱えるこどもの学び支援活動助成」の支援を受けて活動しています。
レポート:Kids Code Clubコンテンツチーム ゆみこ
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